AP通信によると、「Dr. Death(死の医師)」の異名をとったジャック・キボキアン氏が、アメリカ・ミシガン州の病院で6月3日息を引き取った。享年83歳。
同氏はミシガン州生まれ。1990年より安楽死の推進運動を開始し、自ら開発した自殺ほう助装置により約130人を安楽死させてきた。1998年9月には回復の見込みのない筋萎縮性側索硬化症の男性患者に薬剤を注射して死亡させ、殺人罪に問われた。その後2007年に釈放されたが、近年は腎臓や心臓に疾患が見られたほか、肝がんも発見されるなど、体調を崩していた。
アメリカでは当時事件の発覚をきっかけに彼の行いや安楽死に対する議論が行われるようになり、彼の行いを冷血な殺人と切り捨てる者もいる一方、彼のことを尊厳死を可能にさせたヒーローだと支持する声も聞かれた。