出産は、女性医師にとって大きなライフイベントの1つといえます。子どもを産んだことをきっかけに、今後の働き方についてあらためて考えるという方も多いものです。
「子育てと仕事を両立したい」「出産をきっかけにライフプランを見つめ直したい」と考えている方は、転科も視野に入れてみましょう。
ここでは、出産後に転科する女性医師が多い理由や、産後の働き方のポイントについて詳しくご紹介いたします。
産後すぐ仕事に復帰する女性医師は多い
女性医師が妊娠や出産、子育てをするにあたっては、一定期間の休暇が必要です。短期間の産休のみで職場に復帰する場合、ブランクは規定の8週間のみということになります。医師の数が不足している医療機関は多く、職場から「できるだけ早く復帰してほしい」と急かされるケースもあるといいます。
産後に産前と同じようにフルタイムで働くためには、子どもを見ていてもらえる第三者の存在が必要不可欠です。夫や親、ベビーシッターなどに子どもを任せてバリバリ働くという女性医師ももちろんいるものです。
産後に転科するという選択肢もある
しかし、産後の体の回復が思ったようにいかず復帰が難しくなるケースも考えられます。体の回復には個人差があるため、子育てと仕事を両立できないといった悩みも生じることでしょう。そういった場合、子どもを抱えて長時間勤務や当直を続けていては身がもちません。産後に産前と同じように働くのが難しい場合には、働き方を根本的に変える必要があります。実際、産後に一旦退職し、転科して新たな職場で再スタートを切る女性医師は多いといいます。
これまでの専門科とは別の診療科を選び、即戦力として働くのは難しいことかもしれません。しかし、腰を据えて長く働いていくためにも、一から学ぶつもりで経験を重ねていくのも1つの方法です。
女性医師の転科にはどのような選択肢がある?
産後の女性医師が選ぶ転科先はさまざまです。具体的には、専門的な仕事を長く続けたいと考え消化器外科や呼吸器内科といった診療科に転科する例や、眼科や耳鼻科、皮膚科などの小規模クリニックに転職する例などがあります。
残業や夜勤の少ない診療科を選ぶのも重要なポイントです。勤務時間が短くなれば、その分子どもと過ごせる時間は長くなります。また、子どもは急に発熱したりケガをしたりすることもあるので、理解のある職場を選ぶことも大切です。同じ診療科に複数人の医師が在籍している医療機関に転職すれば、子育てと仕事を両立しやすくなります。
転科を考えるときには、今後どのようにキャリアを積むのか、将来的にどんな医師になりたいのかを十分考えておきたいですね。
妊娠や出産、育児といったライフイベントは、女性医師にとって今後のキャリアを見つめ直すいいタイミングです。産後には働きやすさや家庭との両立を鑑みて、転科を検討するのも良い選択といえるでしょう。
転科先でいきいきと働いていくためにも、転職時には自身のライフプランを見つめ直し、最適な道を見極めてみてくださいね。