死の多様性! 世界の「安楽死」に関する意見とは

死の多様性! 世界の「安楽死」に関する意見とは

みなさんは、「安楽死」について考えたことがあるでしょうか。
現在の日本では、医師が患者の死を故意に幇助するような安楽死は認められておらず、そもそも安楽死に関する法律が存在しません。

一方で世界に目を向けてみると、医師による死の幇助を合法的に認めている国があります。
今回は、世界各国における安楽死に対する考え方についてお伝えします。

安楽死を認めている国

安楽死を認めている国

安楽死には“積極的安楽死”と“消極的安楽死”の2つの種類があります。
積極的安楽死は医師が患者の自殺行為のために薬を処方するなどして幇助するもので、消極的安楽死は患者本人の死への要求に医師が応じて、治療を開始しない、もしくは行っている治療を中断するものです。
本人の意思に基づく消極的安楽死であれば認めている国も多く、日本でも「尊厳死」と呼ばれて行われています。

現在積極的安楽死を認めている国は、スイス・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・カナダ・アメリカ(カリフォルニア州・ニューメキシコ州・ワシントン州・モンタナ州・バーモント州・オレゴン州)です。世界的に見てもまだ安楽死を認めている国は少数派にすぎません。
安楽死は世界中どの国でも議論の対象とされる事が多く、これからも積極的安楽死を認める国がさらに出てくる可能性があります。

【オランダの考え方】

オランダは2002年に世界で初めて安楽死を合法化しました。
12歳以上であれば基本的に安楽死を選択できますが、安楽死承認の基準はかなり厳しく設定されていて、末期患者など耐え難い痛みが伴う時に限り選択することができます。

【ベルギーの考え方】

ベルギーでは現在の所“治療でも難しい耐え難い苦痛にさらされている”のであれば安楽死を選択できるとしています。
肯定的に受け入れられてはいますが、危険だと考えている国民も多く存在するようです。

【ドイツの考え方】

ドイツにおける積極的安楽死は正式には合法ではないのですが、ドイツの患者は、本人が希望しない処置を拒否する権利があり、さらに患者からの文章命令を受ければ医師は安楽死のために薬を処方することも可能となっています。
日本と同じく医師の判断で安楽死を行うことは違法とされています。

【アメリカの考え方】

アメリカでは州ごとの法律で安楽死について規定されています。
消極的安楽死であれば全ての州で合法化されていて、積極的安楽死も前述の通りカリフォルニア州を含む6つの州で合法とされています。
アメリカでは自ら命を絶つことを選択した積極的安楽死が認められていない州に住む女性が、医師から薬を処方してもらう自殺幇助を受けたとして問題になったケースもあります。

このように国によって安楽死への考え方は様々です。
実際は積極的安楽死が合法化されていない国でも、合法化を求める人々や、実際に積極的安楽死を希望する患者も多く存在します。
積極的安楽死を希望する方の中には、わざわざ合法化されている国にまで出向き医師からの幇助を受ける方もいる程です。
人の死の権利に関わる大きな問題であり、宗教観に基づく考えの相違なども多いことから、今後も世界中で議論されることでしょう。

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