26日、大阪市立大学ら研究グループは低酸素性虚血性脳症の新生児にさい帯血を移植する臨床研究を11月より始めることを発表した。
(参照:兵庫医科大 アレルギー性鼻炎のメカニズムを解明)
Photo:Our 3 week old girl By ThomasLife
脳性まひの原因ともなる新生児低酸素性虚血性脳症は、妊娠中や出産のときに何らかの原因により脳に送られるはずの酸素や血流が不足し、新生児が仮死状態で生まれてくることである。現在の治療では頭部を冷やす低体温療法が行われているが、今回発表された臨床研究ではへその緒に含まれる幹細胞が豊富にあるさい帯血を移植し、症状の改善を見込む再生医療となる。臨床研究では生まれた翌日から開始し、1日1回の点滴を3日間続け安全性と効果の検証を行う。
対象となるのは、妊娠36週目以降に生まれ意識障害などの症状がある新生児である。米国では、さい帯血移植と低体温療法を併用した治療を受けた新生児の7割が1歳の時点で正常に発達していることがわかっている。さい帯血は脳の炎症を抑える効果があり、幹細胞が神経や血管の細胞になることにより治療の効果があるとされている。