うつ病に悩む患者は平成20年の時点で100万人を超えており、その数はいまだ増加の一途を辿っている。うつ病による自殺者数の中でもとくに20代などの若い世代が多い傾向にあり、近年では「仮面うつ病」に悩む患者も増えているという。
(参照:研修医の約3割がうつ病に 研修医を救うネットワークとは)
Photo:Depression By .v1ctor Casale.
体調不良が続くなどの症状で医療機関を受診する患者のうち、6割近くの人が最初に内科を選択しているといわれており、患者自身はうつという自覚症状もないために日々の疲れや寝不足による影響と考えていることが多い。こういった身体の症状が先に出てくるうつ病を「仮面うつ病」と呼び、この患者数も含めると全体的なうつ病の患者数は300万人を超えるとも言われている。
仮面うつ病は、めまいや腰痛、頭痛、不眠の他に胸部圧迫感や睡眠傷害、性欲減退・月経異常などの症状を引き起こす。初期に適切な治療を行えば治せるといわれているが、初期症状を自覚することが難しいうつ病の場合、深刻化するケースも珍しくない。気分の落ち込みや物事への意欲がなくなったなど、自身の体調の変化に気づいたらまずは専門機関へ受診しうつ病の予兆なのかを相談することが一番である。