2009年11月、福岡市の独立行政法人国立病院機構九州医療センターで生まれた女児が、植物状態になった。この両親らは、原因は助産師らが出産直後の経過観察を怠ったためとして、同センターを運営する機構を相手取り、約2億3千万円の損害賠償を求める訴えを起こした。
両親らの話によると、この女児は帝王切開で生まれたが、6時間保育器で観察した後、母親に2回、計2時間半カンガルーケアを行った。その際、助産師は「母乳をあげて」と伝えてその場を離れ、経過観察を行わなかった。その後、女児は低体温症や低血糖症などにより心配停止となり、植物状態になったという。
カンガルーケアには、母子関係を深めるというメリットがある一方、ケア中に乳児が急変するケースも報告されており、安全面の考慮が必要と考えられている。