愛知県の名古屋大学医学部付属病院は26日、分娩直後に親が赤ちゃんを抱く「カンガルーケア」の最中に、母親が不適切な抱き方をしているのを見逃し、新生児が一時的に呼吸困難に陥るという事故が2009年8月にあったと発表した。(参考:名古屋大学医学部付属病院で医療ミス 腹膜炎を便秘と誤診)
新生児は蘇生措置により一命を取り留めたものの、脳の一部を損傷し、手が自由に動かせなくなった。現在はほぼ回復しているが、成長に伴い新たな障害が発見される可能性は否定できないため、小児科外来で診療を継続しているという。
同病院によれば、事故はカンガルーケアの最中に発生。カンガルーケアは本来、新生児の顔が母親の左胸付近にくるようにするのが正しいやり方だが、事故のあったケースでは顔が首付近にきており、そのため新生児の口と鼻がふさがってしまったものと見られる。本来は助産師らが母子を観察しているはずだったが、担当の助産師は別の分娩に立ち会っていた。事故発生後、同病院はカンガルーケアを中止した。