【医学部志望動機を高めるために PartⅡ】
やはり問われる家庭力
幼児や小学生低学年の児童の場合は家庭環境や友人関係によって学習に対する意識は大きく左右される。
まずは家庭であるが、父母や兄弟姉妹が読書や勉強の習慣の付いている家庭が望ましい。
「勉強しなさい」とガミガミ怒る前に、母親が食卓や居間で読書をしていたり、父親が子どものいる前でもデスクワークや読書にいそしんでいる姿を日常的に見せている方がはるかに効果的だ。始終テレビが付きっぱなしの居間よりは静かにクラシックやジャズが流れている方が子どもの情操面の発達にも良いに決まっている。
また、例えば、家族旅行に行っても車や電車、飛行機の中でクイズを出し合ったり窓から見える景色や地形、建物などについて話をしてあげるだけでも子どもの好奇心や向学心は刺激されるはずである。怪しげな幼児教育の教室に通う前に、家庭の文化レベルを少しでもアップさせることを考えるべきだろう。
また、休みの日に「科学みらい博物館」(東京のお台場にある)などの、公共の教育施設に家族で足を運んでみるなど、科学に興味を持たせる機会を作ることも大切である。眼で見て、手で触って、体で体験することは子どもにとって強烈な印象を残すと同時に、興味・好奇心を引き出してくれるはずだ。
友人関係は運も伴う?!
近所にいい友だちができれば、子ども同士の会話や活動の中に知的な相互作用が生じる。
ゲームだけではない話題が交わされる友人関係を作れれば素敵だ。そういう意味でも住環境が大きく影響するのは必至である。
通う幼稚園や学校だけでなく、近所にある子どもの遊び場での子どもに対する影響は大きい。子どもは他の子どものすること(話し方や所作も)を見て真似る。
折角買ったマイホームではあるが、子どもの教育には不向きであることが後になって分かる場合もあろうが、「孟母三遷」という通り、子どもの教育のために住む場所を変えるのも時と場合によっては必要なことかもしれない。
もう幼児期をとっくに過ぎてしまって今更家庭環境云々ではなくなってしまった場合にはどうしたらよいのであろうか。
中学生以上になると親のいうことを素直に聞かなくなっているのが普通であるから、そのときには他人に頼るしかない。もちろん、親にできることはできるだけするべきであろうが、それは子どもに対してではなくて自らの生活習慣を少しでも文化的に変えることである。
筆者紹介
<strong>七沢英文</strong>(ななさわ・ひでふみ)
中央大学法学部卒 塾講師、家庭教師などを経験。
1997年より医学部受験専門予備校YMS講師、現在YMS取締役兼同機関誌「Lattice」編集長。
NPO法人「ジャパンハート」理事。
趣味:オートバイ、車、写真、映画鑑賞、麻雀、料理、旅行など (しかし、現在まったくできない状況、泣!)
※記事掲載元:「医学部志望動機を高めるために PartⅡ」(閲覧には会員登録が必要です)