腎臓疾患の子どもの核医学検査(RI検査)で放射性物質を加えた薬剤を過剰に投与してしていたことが判明した市立甲府病院が、9月1日に記者会見を開き、放射性物質の投与量の管理などを50代のベテラン男性技師一人に任せきりにしていたことを明らかにした。また投与状況の内訳を明らかにしており、中には推奨基準の40倍の薬剤を投与されている例もあったことがわかった。
RI検査では「テクネチウム」という放射性物質を加えた薬剤を注射していたが、本来は医師の指示に基づいて投与されなければならない。病院によると、診療報酬の投与記録には実際より少なく記録されていたため、過剰投与に気がつかなかったという。
1999年5月から2011年5月までの間に行われた、10,873 件のRI 検査のうち、15 歳以下の小児は145 名254 件。このうち85人158件は日本核医学学会の定めた小児の推奨投与量の5倍未満だったが、10倍未満が19人、20倍未満が28人、30倍未満が10人、40倍未満が2人、40倍以上が1人だった。
同病院は患者に対し謝罪した上で、健康被害については確認されていないが、個別の相談などにも対応していく方針を明らかにした。