2010年9月10日、厚生労働省は「安心生活創造事業推進検討会」の第3回会合を開いた。厚生労働省が推進する「安心生活創造事業」とは、厚生労働省に選定された地域福祉推進市町村が実施するモデル事業で、「事業の3原則を前提として、一人暮らし世帯等への『基盤支援』(「見守り」・「買物支援」)を行うことにより、 一人暮らし世帯等が、住み慣れた地域で安心・継続して生活できる地域づくりを行う」というもの。現在52の市町村で取り組みが行われている。このような動きの中で、一人暮らしの高齢者、障害者への支援、健康の面では、医療現場との連携が欠かせないものとなる。
事業の3原則とは、以下の3点で、安心生活創造事業はこの3原則に基づいた取組みを行うことが必須条件となる。
- ・原則(1)
- 地域において、基盤支援(見守りや買い物支援)を必要とする方々を把握することと、その方々が普段の生活においてどのようなことに困っており、どのようなことを必要としているのかを把握すること。
- ・原則(2)
- 原則(1)で把握した基盤支援を必要とする方々が、もれなくカバーされる地域の支援の体制をつくること。
- ・原則(3)
- 原則(1)と(2)を支える、安定的な地域の自主財源確保に取り組むこと。
今回の安心生活創造事業推進検討会では、国土交通省および横浜市からの事例報告が行われた。
国土交通省からは、「賃貸住宅における拠点整備等に関する取組について」という報告の中で、「公的賃貸住宅活用型『高齢者の住まい』の供給促進を提言してる。そこでは、医療・福祉・住宅関係事業携を含めた各分野の連携による、新しい住まいの供給を目指した動きが提言されている。
また、横浜市からは、「横浜市における安心生活創造事業の取組」が報告された。この取り組みの概要については、事業を委託されたNPO法人が、「高齢者らへの訪問や見守り」、「買い物支援」などを実施することなど、生活に密着した地域支援の実証実験を進めている。
安心生活創造事業では、悲惨な孤立死、餓死、虐待などを予防する生活(生命)維持のための「基盤支援」の実現を第一ステップとし、各省庁、各自治体、NPO法人、医療関係、地域社会との連携をもって、環境作りを整備していく方向性が確認されている。