結婚・出産・子育て。
キャリアを考える
余裕がなかった時期わたしのキャリア編集室
― 女性医師の働き方ラジオ ―
女性医局がお届けするポッドキャスト『わたしのキャリア編集室 ― 女性医師の働き方ラジオ ―』では、女性医師の先生方のキャリアや人生の転機、働き方について、飾らない言葉で伺っています。
DJは、女性医局のタラ・恵。今回も引き続き、血液内科を専門とし、その後は一般内科も経験され、現在は子育てを中心に生活を送るさくらさんにお話を伺います。
第2回では、結婚・出産・子育ての中で働き方がどう変わっていったのか、そして“キャリアを考えなくなった”のではなく、“考える余裕がなかった”というリアルな時期についてお届けします。
関東に移られてから、結婚や出産を経て働き方も変わっていったのでしょうか。
そうですね。結婚してから、少しずつそれまでの働き方から抜けていった感じがあります。子どもができてからは、さらに大きく変わりました。
その頃、働き方について考え直すことはありましたか。
関東に出た頃は、「血液内科だけではまずい」と思っていました。消化器ももっと分からないといけない、循環器の心電図もきちんと読めるようにならないといけない――そういう思いはすごく強かったです。でも、妊娠してからは、そういうことを考える余裕がなくなりました。つわりの中で電車通勤するのもつらかったですし、子どもが小さいうちは体調不良も多くて、どうしても振り回されますよね。妊娠した頃からは、自分のキャリアについて考えるというより、とにかくその時その時を何とか回すので精一杯だったと思います。
クリニック勤務ならではの難しさもありましたか。
ありましたね。クリニックだと代わりがききにくいので、自分の体調や子どもの体調不良があると、本当に申し訳ない気持ちになりました。ただ、私の場合は人数がそろっているところに入れてもらえたこともあって、かなりサポートしていただきました。それは本当にありがたい環境だったと思います。
その時期は、キャリアよりも子ども中心の生活になっていったんですね。
そうですね。子どもがぽんぽんぽんと続いて生まれてきたので、考える余裕がない状況が長く続いた、という感じです。今、子どもたちが自分で学校に行って帰ってこられるようになって、自分ももう五十近いんですけど、もしこれが三十代だったら、もう一度キャリアを考え直していたかもしれません。でも、考える余裕がないまま時間が過ぎて、気づいたらもうここまで来ていた、という感じですね。
お子さんが大きくなっても、また別の忙しさがありますよね。
そうなんです。小さい頃は小さい頃の忙しさがあるし、大きくなったら大きくなったで、塾の送迎や宿題、受験のことまで考えなければいけない。学校に行って帰ってくるだけでは終わらないんですよね。ご飯を作っていればいい、というわけでもなくて、担任の先生のこと、友達関係、塾についていけているか――そういう細かなことも全部見ていくことになる。本当に、自分のキャリアのことは考えられなかったし、考えようともしなかったかもしれません。
その頃、相談できる相手はいましたか。
大学関連の病院にいた頃は、話しやすい先輩や後輩がいたんですけど、関東に出てからは、医師としてのキャリアや子育てについて気軽に話せる医師の友人はあまりいませんでした。ただ、一人だけ、同じ大学の同級生がいて。その人は卒業後すぐ関東に出ていたんですが、たまたま妊婦健診で行った病院で再会したんです。彼女もたくさんお子さんを育てながら働いていて、「こういうふうに頑張っている人もいるんだな」と感じたことは覚えています。
それだけでも少し救われますよね。
そうですね。ただ、それでもやっぱり、どこか孤独さはあったと思います。同じ女性医師でも、本当にいろいろなタイプの方がいて、特に関東では、すごくキラキラしていて、仕事もバリバリされている先生方もたくさんいて。私はあまりそういうタイプではなかったので、何度か顔を出してみても、「私はこうはなれないな」と感じました。関東に出てみたいという思いはあったんですけど、実際に行ってみて、自分は違うんだなと知った感じでした。
今回は、結婚・出産・子育てが重なる中で、さくらさんがどのように日々を乗り越えてきたのか、そしてキャリアを考える余裕すら持てなかった時期についてお届けしました。
次回は「医師の仕事から少しずつ距離を置くまでの経緯と、今振り返って思うこと」について伺います。
番組では、文章だけでは伝わりきらない空気感や声の温度も、そのままお届けしています。ぜひSpotifyで、さくらさんの生の声もお聞きください。
エピソードはこちらです:Spotify
- 番組名
- わたしのキャリア編集室
― 女性医師の働き方ラジオ ―
- 配信先
- Spotify
- DJ紹介
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Tara恵(タラ・恵)
ポッドキャストのDJ・聞き手。インド在住。
女性医師一人ひとりの働き方や人生の転機に寄り添い、その言葉を丁寧に届けています。