心臓移植とは

心臓移植とは、末期的な心臓病患者からその高度に障害された心臓を摘出し、正常な機能を有するドナーの心臓を移植することです。
世界最初の心臓移植手術は1967年に南アフリカのケープタウンで行われました。この患者は、移植から18日後に肺炎で死亡しましたが、翌1968年には全世界で102例の心臓移植が行われています。
日本でも、1968年に初めての心臓移植手術が実施されました。いわゆる「和田心臓移植」です。これは札幌医科大学の和田寿郎教授率いるチームが、21歳の溺水事故を起こした男子大学生から、18歳の男子高校生へ日本で初めての心臓移植を敢行したものです。手術は成功し患者は病院の屋上を散歩するまでに回復しましたが、手術後83日目に亡くなりました。

心臓移植の開始当初は拒絶反応をコントロールできず手術成績は芳しくありませんでしたが、1980年代に入って新しい免疫抑制剤が登場してからその成績は著しく改善しました。その結果、現在は世界で年間4000例ほどの心臓移植が行われるようになり、移植における1年生存率は80%、5年生存率も70%以上にのぼっています。しかしこと日本においては、心臓移植を受けるには非常に困難な状況が続いています。2010年の改正臓器移植法の施行など、その環境は整いつつありますが、2012年末までに国内で心臓移植を受けた148名の平均待機期間は約2年9か月となっており、事実上、心臓移植の盛んな米国にわたって手術を受ける必要があるのが現状です。

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