毎日を忙しく過ごす医師にとって、睡眠時間はとても貴重なものです。
しかし、春になると花粉症の症状がひどくてなかなか寝付けなくなるというお悩みを持つ
方も多いもの。中でも夜になると、花粉症の症状が重くなるという方もいるでしょう。
睡眠不足は、医師として万全な状態で仕事に専念するためにも、自分の健康を守るためにも重要なものです。大切な睡眠時間を守り、快適な寝心地を得るためにも、就寝時には花粉症対策を行っていきましょう。今回は、花粉症に悩む医師に向けて、春の花粉シーズンの睡眠時の対策方法をご紹介いたします。
夜になると花粉症がひどくなる!? その理由とは?
・マスト細胞の働きによるもの
マスト細胞は、病原菌から体を守る働きを担っているものですが、一方でアレルギー反応を起こすことも分かっています。
また、このマスト細胞は体内時計のようなものを持っているため、時間帯によって働きに差が出るのも特徴の1つ。昼間は働きが弱くなり、夜から朝方にかけて活発に活動するため、花粉症が夜にひどくなることにつながっています。
・自律神経の働きによるもの
交感神経と副交感神経のバランスによって保たれている自律神経ですが、夜になると副交感神経が優位になるため、鼻水などの分泌が活発になります。
また、日頃からの睡眠不足やストレス、疲れなどによって自律神経のバランスが崩れると交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかなくなり、これによっても夜の花粉症の悪化が引き起こされると考えられます。
・寝具などのハウスダスト
花粉以外にも、寝具に存在するハウスダストによってアレルギー反応が起こっているという可能性もあるため注意が必要です。
また、日中に部屋に入り込んできた花粉が夜になると再び宙に舞い、それを吸い込むことで症状が悪化するともいわれています。
快適な春の睡眠を守るための方法3つ
1.マスクを装着して寝る
寝苦しいなどの理由からマスクを着けて寝ることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、花粉症対策としてマスクは重要です。寝具についた花粉症やハウスダストなどの吸引を防ぐことができます。
また、花粉症による鼻詰まりで口呼吸になってしまっても、のどや鼻の乾燥を防ぐことができるというのもメリットの1つです。
2.寝る前にお風呂に入る
疲れて帰るとついついそのままベッドに倒れ込んでしまいたくなりますが、外出先から帰った服や体、髪には花粉がたくさん付着しています。
花粉症の症状を防ぐためには、疲れた体を奮い起こして身に着いた花粉を落とすことが大切です。また、なるべくシャワーだけで済まさずに湯船に入って体を温め、良質な睡眠がとれるように心掛けることも重要なポイントです。
3.寝具の取り替えをこまめに行う
キレイにしているつもりでも、意外と寝具は目に見えないホコリや汚れが付着しているもの。もちろん花粉がついていることもあるため、こまめに寝具の取り替えを行うことが大切です。花粉がひどい時期には、枕カバーだけでなくシーツや布団カバーなども、積極的に取り替えて、いつも清潔な状態にしておきましょう。
また、シーツなどを洗濯して干すときには屋外ではなく、乾燥器や室内干しを心掛けてください。
今回ご紹介したもの以外にも、加湿器のセットや空気清浄器の利用など、基本的なことにもきちんと目を向けることが大切です。
日中からの花粉症対策とあわせて夜の対策も行って、快適な睡眠を手に入れましょう。