高齢化が続く現在、糖尿病専門医が転職に有利だと言われています。
厚生労働省の調査によると糖尿病の患者数は右肩上がりに増加しており、過去最高を更新し続けています。
50歳を越えたあたりから糖尿病の患者が増えはじめ、国内の糖尿病患者は現在約950万人。
それに対し、糖尿病専門医の数は4,700人余りと圧倒的に少ないのが現状です。
今回は、糖尿病専門医が転職に有利な理由について、ご紹介します。
増え続ける糖尿病患者
厚生労働省が行った「2012年国民健康・栄養調査結果」によると、糖尿病の診断を受けて治療中の患者数は270万人、糖尿病と強く疑われる人は950万人です。
さらに、正常値との境界にいる境界型糖尿病の人も1,300万人以上いると言われています。
糖尿病患者は年々増え続けており、70歳以上になると男性の4人に1人、女性の6人に1人の割合で糖尿病にかかっている計算です。
これは、アジア人が欧米人に比べてインスリンの分泌能力が50%程度と糖尿病にかかりやすい体質をしているにも関わらず欧米化した食事、運動不足といった生活習慣による肥満が増加してきていることが原因と言われています。
糖尿病専門医とは
上で説明したように糖尿病患者が増加の一途をたどっているのに対し、糖尿病専門医は平成25年の時点で4,760人と圧倒的に少ないのが現状です。
非常に数の少ない糖尿病専門医ですが、患者からも病院側からも非常にニーズが高い存在。
多くの患者が専門医に診察、アドバイスをしてもらいたいという要望を持っています。
病院側も、糖尿病患者はリピーターになりやすく、外来の時間調整もしやすいため、診療科に糖尿病を標榜して専門医を置きたいという気持ちがあるのです。
糖尿病専門医に必要なのは専門知識だけでなく、患者に自己管理をしてもらう必要性や、合併症が起こりやすい疾病であることから、患者や他科と円滑にコミュニケーションを取れる能力も必要とされています。
ニーズの高まりとともに糖尿病専門医を優遇する求人も見られるため、転職に有利な資格になってきています。
女性医師の活躍が期待される分野
転職に有利なばかりでなく、実は女性医師にとっても有利な点もあります。
日本糖尿病学会が女性医師にアンケートを取ったところ、配偶者や子供がいる女性医師の専門医資格取得の遅れや、常勤率の低さが浮き彫りになりました。
そこで日本糖尿病学会は、女性医師の活躍を後押しする方針を決定し、女性にとって働きやすい環境を整えていくように舵を切っています。
ニーズが高く、融通が効きやすい勤務スタイルの糖尿病科は、女性医師に優しい診療科とも言えるのです。
糖尿病専門医の市場価値が少しずつ知られてきていると同時に、専門医の労働環境も改善してきています。
医師を続けたいが今の職場で仕事を続けるのは難しいと感じている方は、ニーズが高く、女性に優しい診療科への転職を考えてみてはいかがでしょうか?