ギラン・バレー症候群とは
急性・多発性の炎症性多発神経障害であり、筋力低下による運動神経障害、および軽度の遠位部感覚消失を特徴とする。
重度の場合は呼吸不全をおこすため、気管挿管および機械的人工換気を必要とする。
初期の症状としては、筋肉痛に似た痛み、手足のしびれを伴い
症状が進行するにしたがい、歩行困難、眼や顔面、また口などがうまく動かず食事・水分が取れなくなる。
診断の際は脳卒中に近い症状になるため、両面での検査が必要になる場合がある。
症状によって特に急速に麻痺が進行し、呼吸筋にまで症状が及び呼吸不全で死亡する例もあるが、
発症後1?3週間で最大を迎え、自然治癒する場合もある。
原因は完全にはわかっておらず、体外から侵入してきた外敵から守るはずの自己免疫の
過剰防衛、またはエラーによるものと考えられている。
また、外敵要因としては、風邪に分類される感染症(マイコプラズマ、サイトメガロウイルスなど)、
ワクチン接種(インフルエンザワクチンなど)によるもの、また鶏肉の加熱不足や付着していた菌による
カンピロバクター食中毒からも起こると言われている。
治療法としては免疫システムを正常に戻せば回復することから、治療法としては免疫グロブリン静注(IVIG)
または血漿交換になり、筋力低下などは理学療法士や作業療法士などにによるリハビリ治療がある。
年間の発病率は10万人当たり1~2人程度とされており、年齢や症状によるが大よそ6ヶ月で回復するなど
予後が比較的良好な病気である。
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