ヒヤリ・ハットとは

ヒヤリ・ハットとは、結果として実際の被害は生じなかったが、医療的準則に則った医療行為が行われず、場合によっては事故に直結したかもしれない出来事を指します。英語では、Accident(事故)に対するIncident(出来事)の語を用いて、Medical Incident と表現されます。
労働災害を研究したハーバート・ウィリアム・ハインリッヒは、1929年に発表した論文の中で、ハインリッヒの法則という経験則が示しています。これは、1つの重大な事故の背後には300件のヒヤリ・ハットが隠れているとするもので、これらのヒヤリ・ハットを無くすことが重大事故を無くすことにつながる、という考え方です。医療の世界でもこれに則り、ヒヤリ・ハット事例を記録・蓄積することによって、医療事故の防止につなげようとする試みが進められています。
厚生労働省は、2001年に「リスクマネージメント作成指針」を発表。医療安全対策の一環として、医療事故情報等収集事業をスタートしました。これは公益財団法人日本医療機能評価機構によって進められており、医療機関から報告される医療事故情報及びヒヤリ・ハット事例を収集しデータベース化する作業などが行われており、これらはネット上で一般に公開されています。なお、同事業による分析結果によれば、最も多いヒヤリ・ハット事例は薬剤に関するケースで、療養上の世話にかかわるもの、チューブ・ドレーンに関係するケースがこれに続いています。

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