トラベルクリニックとは

トラベルクリニックとは、海外に渡航するにあたって必要となる予防接種、渡航前後の健康診断などを行う医療形態・医療機関を指します。こうした医学領域はトラベルメデイスン(渡航医学)と呼ばれ、1990年代の欧米に端を発し、日本でも知られるようになりました。
アフリカや南米の熱帯地域には、入国にあたって黄熱の予防接種証明書の提示が求められる国があります。
また世界には、破傷風・狂犬病など、日本ではほとんど見られなくなった感染症のリスクが高い地域が存在します。そのような地域に渡航するにあたっては事前に計画的なワクチン接種を受ける必要があります。さらに、マラリア・高山病などの予防薬の処方や、英文診断書の交付を受けることが必要になる場合もあります。
わが国では1996年に、現在の日本渡航医学会の前身、「海外渡航者の健康を考える会」が発足し、この分野への医療者側の取り組みが本格化しました。2011年には同学会の会員数も500人を超え、「トラベルクリニック」を掲げる医療機関も増加してきました。

日本からの海外渡航者は1985年ごろから急激に増加し、2012年には年間延べ人数で1,800万人を超えています。しかしこのような時代になっても、日本人の海外渡航に際しての健康問題に対する意識は、他の先進諸国に比べて低いのが現状です。海外渡航者の安全確保のため、トラベルクリニックの一層の普及が期待されます。

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